『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』個人レポ

トッケビ〜君のくれた愛しい日々〜』は私が韓国ドラマを見てきて一番好きなドラマである。

この前視聴済みの作品は22作品を超えたがいまだに追い越されていない。

ここでは『トッケビ』と略(?)して表記するが一体どうして韓国ドラマの邦名はこうもダサいのだろうか。個人的に邦題ダサダサ問題と言っている現象であるが「君のくれた愛しい日々」とあの日本版のピンク〜キラキラ〜なフォントには毎回辟易する。

どのドラマでもあえてチープに見せているの??と思わずにはいられないくらい幼稚に見えるフォントばかりである。韓国版の「トッケビ」とハングルで墨書で書かれたあのシンプルなポスターの方が世界観ともあっていて製作陣の意図がより伝わると思うのだが……

 

それはそうと、「トッケビ」私のone pickである。ここでネッコヤを思い浮かべた私は日韓グローバルアイドルIZ*ONEのファンであるがそれはそうとして「トッケビ」、素晴らしい。

脚本の素晴らしさはもちろん、感情のすれ違い、神秘的な雰囲気に合ったセット、フィルム感、演技などが全て完璧にマッチしていて複雑な話なのにツッコミどころがほとんどない。またコメディパートとシリアスパートの割合がちょうどよく、登場人物の衣装を見るだけでも素敵で絵になる。

 

そんな「トッケビ」以下あらすじである。(若干のネタバレも含むかもしれない)

 

 

 

 

 

 

高麗の時代に生まれたキム・シン(コン・ユ)は武臣として活躍していたがあまりの民衆からの人気に王に疎まれ、謀反の疑いをかけられて処刑されてしまう。しかし、キム・シンを悼む民衆の声が神に届き、不死身で不思議な能力を使うことができる「トッケビ(鬼)」として生き返る。

一方2016年の現代を女子高生として生きるチ・ウンタク(キム・ゴウン)は幽霊の見える特異体質を持ちながら意地悪な叔母のもとで暮らしていた。チ・ウンタクの母は交通事故で一度死にかけていたがキム・シンに助けられ、当時母のお腹にいたチ・ウンタクはそれによって「トッケビの花嫁」になる。

チウンタクは19歳の誕生日を祝おうと海辺で一人ケーキにろうそくを立てて吹き消す。するとそこにはチ・ウンタクがろうそくを吹き消したことで召喚されたキム・シンがおり、そこで二人は出会う。その後キム・シンと同居している死神(イ・ドンンウク)、チ・ウンタクのバイト先の社長のサニー(ユ・インナ)、キム・シンの世話を任されているユ・ドクファ(ユク・ソンジェ)などと出会い、それぞれの運命が交差していく。

 

 

 

 

 

 

 

以上軽いあらすじであるがこの後のエピソード全てネタバレに感じてしまうほどに明らかになっていく新事実!!!が多すぎるのでもうここは割り切って自分の好きなトッケビのシーンをたくさん紹介していくコーナーにしようと思う。これは視聴済みであることを想定したものであるのでご注意願いたい。

 

 

 

 

 

 

せっかくだから順位にする。

 

1位

サニーが自宅で花占いのように焼酎をコップに注ぎながら「会いたい」「会いたくない」と言うが結局「会いたい」で終わり、「何度やっても会いたいから始めちゃう」というシーン。

 

可愛い。この二人は会っている時間よりも会わない時間の方が長くてそれを代表するエピソードといっても過言でないように思う。

個人的に死神とサニーの関係は大好きで、前世のワン・ヨとキム・ソンの関係から大好きである。まず前世からの縁で来世にも会うと言うのはロマンチックすぎて素敵だし、弱い死神に対してラジオに壮大なラブレターを投稿しながらも自ら縁を絶つ強いサニーはもっと素敵で、便りは出さないと言ったのに死後死神の元に名簿が届いてしまうという結末まで可愛い。

サニーは決して弱くはないけど少し強がりで見栄っ張りなところがあるのに死神の前ではそれを装えないのも可愛いし来世ではそういうふりしててもバレてて、死神はちゃんと分かってて優しく見守っているのが可愛い。もうこの二人の関係が尊い。来世では女優と刑事で出会うが、その時は死神とサニーの時のようにサニーからグイグイ行くのではなくて死神だった方が結構グイグイ行く感じが大変たまらない。

ぜひ全問正解の恋をして、会わない時間よりも会っている時間の方が長くあってほしい二人である。幸せになってほしい。

 

 

 

 

2位

29歳のチ・ウンタクとキム・シンがアットプラットホームでデートするときに、横を通ったはしゃいだ女子高生を見てチウンタクは「若いわね」というがキム・シンがその様子を見て笑うシーン

 

可愛い。はしゃいだ女子高生は二人が出会った頃のチ・ウンタクの年齢と近くて、キムシンは長く生きているからおそらく「あなたもこうだったのに」と思って微笑む感じが尊い

この時の微笑みは「あなたもこうだったのに「若いわね」というなんて」という可笑しみと十年の間に随分大人になったのだという時の流れと、それを全て含んでいてそれでいてチウンタクが愛しくてたまらない、一緒に居られて嬉しい、といったように微笑むキムシン全てが尊い。そして好きな人の前で少しすましてしまうチ・ウンタクも大人になったけど、高校生の頃の騒がしい部分を隠して大人になったというだけ、本質は変わらない、という可愛いらしさがあって大変素敵である。

 

 

 

 

3位

高校生のチ・ウンタクのバイト先にキム・シンが訪れ、キム・シンが言った「500万(オベク)」を「告白(コベク)かと思った」と言うシーン

 

 

この時のセリフは割と何気ない様子で描かれてはいるが、 キム・シンとチ・ウンタクは主にキム・シンの葛藤によって不安定な関係で、このシーンは軽い仲直りのようなシーンなのにキム・シンの葛藤はいざ知らずいつものように軽口を叩いてしまうチ・ウンタクが愛らしくて可愛い。

 

 

 

 

 

 

 

この他にも好きではないシーンはないし高麗時代の回想で出てくるキム・ソン(サニーの前世、キム・シンの妹)役のキム・ソヒョンちゃんの美しさには毎回惚れ惚れするし、チ・ウンタクが事あるごとに「危険でしょ」と言って火を吹き消してキム・シンを呼ぶシーンも、キム・シンが着物を着て「何だこれ!(日本語)」と言うシーンも、2016年の別れのシーンでキム・シンが画面の外から手を引いてチ・ウンタクにキスをするシーンも、29歳のチ・ウンタクが全てを思い出すケベックのシーンも、死神が死んだサニーの手を引いて茶屋から出て行くシーンも、すべて、好きでなかったシーンなどないが、問題はNetflixアマゾンプライムでシーンのカットや訳が違うことであり私はアマプラで2回、ネトフリで1回視聴したのでおそらくアマプラ版の方が馴染みがある。

しかしこうしてファンを名乗る以上いつかは、いや今すぐにでもトッケビのブルーレイ版を買うべきである。(噂によるとブルーレイ版の方がはるかに描写が繊細らしい)

 

 

 

 

とはいえ、幾分カットされているであろうけども『トッケビ』の死生観、一つの魂には人生が4回あって、タネを蒔く人生、水をやる人生、育てる人生、収穫する人生と言ったものや、お茶を飲むと現世の記憶を忘れられる、人間の強い意志を持てば神の意志も運命も変えられると言った内容は自分の中で「信教・トッケビ」と言えるほどには魅力的であった。人生はドラマのようにはいかないけども、いくらか励まされる、何回めの人生かはわからないけど強く生きていこうと、そう思える作品である。

 

 

一話60〜90分、16話の構成で気軽に勧めるには少し長いがまだ見ていない人にはぜひ見てみてほしい作品である。